確定申告や決算は、税理士に依頼することで楽に行えますが、依頼費は安くても10万円/年以上かかります。
必要最低限の出費で、個人で確定申告をしたい方はクラウド会計ソフトの利用をおすすめします。クラウド会計ソフトとは、従来型の会計ソフトのようにインストールして利用する必要がなく、クラウド上にデータを保存していつでもどこからでも帳簿できます。
この記事では、数あるフリーランス(個人事業主)向けクラウド会計ソフトを徹底的に比較し、おすすめのクラウド会計ソフトのみを厳選して3社ご紹介します。
クラウド会計ソフトとは?
クラウド会計ソフトは、日々の経理業務を自動化・効率化する会計ソフトです。クラウド会計ソフトの機能には以下のようなものがあります。
・領収書やレシートをスキャンし保存
・銀行口座やクレジットカードの明細を取得
・人工知能が自動で勘定科目を推測
・試算表や総勘定元帳などのレポート作成
・確定申告書類の自動作成
紙やExcelで帳簿を管理する際は、簿記2級程度の知識が必要になりますが、クラウド会計ソフトであれば簿記の知識がない方でも簡単に帳簿作成・確定申告を行えます。
また、銀行口座やクレジットカードの明細データをもとに勘定科目を推測・集計を行うので、会計処理の際に起こりがちな転記ミス・計算ミスなどのヒューマンエラーを防げます。
2024年最新!フリーランスにおすすめ会計ソフト3選
この章では、フリーランス(個人事業主)におすすめのクラウド会計ソフトをランキング形式で3社ご紹介します。比較検証は以下の3項目について行いました。
①月額料金・初期費用・初年度キャンペーン
②サイト・アプリの利便性(ツール・機能の豊富さ)
③ユーザー数・ユーザーの口コミ良好度
それでは、順に見ていきましょう。
やよいの青色申告オンライン | 初年度無料で利用できる人気の会計ソフト
総合評価 | |
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運営会社 | 弥生株式会社 |
プラン料金 | セルフプラン:8,800円/年 ベーシックプラン:13,800円/年 トータルプラン:24,000円/年 |
キャンペーン | セルフプランは初年度無料 |
サポート | 電話 / メール / チャットサポート |
『やよいの青色申告オンライン』は、簿記の知識がなくても、日付や金額などを入力するだけで、青色申告に必要な複式簿記帳簿を自動で作成できます。
初心者にもわかりやすいシンプルな機能とデザインで迷わず操作できるので、初めて青色申告で確定申告するフリーランスに人気です。
銀行明細やクレジットカードなどの取引データを連携しておけば、自動で仕訳してくれるので入力の手間がかなり省けます。
やよいの青色申告オンラインのセルフプランであれば、初年度の利用料が無料なので、1年間操作に慣れてから利用を継続するか検討できます。
・23年連続売上No.1
・インストール不要ですぐに使える
・セルフプランであれば初年度の利用料が無料
・スマホからでも簡単に記帳できる
弥生会計オンラインの口コミ・評判
弥生会計オンラインのポジティブな評判で多かったのは「サポートが手厚い」「自動入力で仕訳が簡単」という口コミです。
取引先の方からおすすめされた「弥生会計オンライン」これ凄くいい。1年間無料で使えて、2カ月間は電話サポートもあり!仕訳も簡単だし、各帳簿も自動入力でらくらく!
freeeさんも比較検討したけどこっちの方が分かりやすかった◎(引用元:X)
確定申告のためにライター仲間に教わった弥生オンラインを登録して、少しだけつついてみた。「今年はじめて」ボタンを押したらあちこち指示が出てすごく親切!これは本当に使いやすいね。
(引用元:X)
2年間弥生会計オンライン使ってきて特に問題ないし慣れちゃった。来年も弥生で継続していこうかな。サポートが厚いから初心者でも安心できた
(引用元:X)
会計freee | クラウド会計ソフトとして業界No1の実績と知名度
総合評価 | |
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運営会社 | freee株式会社 |
料金プラン(個人) | スターター:980円/月 スタンダード:1,980円/月 プレミアム:3,316円/月 |
料金プラン(法人) | ミニマム:1,980円/月 ベーシック:3,980円/月 おまかせパック:29,800円/月 |
主な機能 | 確定申告書類の作成 / 申告書類の提出 / 見積・請求書・納品書作成 / レシート写真の読み取り / 入金・支払管理レポート / チャット・メールサポート |
『freee』は、フリーランス向けのクラウド会計ソフトとしては最も知名度があり、ユーザーの満足度も高い会計ソフトです。
インターネットバンクを契約した銀行口座や、クレジットカードをfreeeに同期すれば、入出金の記録から仕分けが自動で生成できます。簿記の知識がなくても、人工知能が自動で勘定科目を推測してくれるので、簡単に記帳を行えます。
例えば「〇〇ガス」という文字列があれば、勘定科目「水道光熱費」を自動推測されるなど、ルールを作成して振り分けをおこなうことも可能です。
また、freeeにはファイルボックスという機能があり、紙の領収書をスマートフォンの画像から取り込むことで仕分けを自動で行ってくれます。
「スターター」「スタンダード」「プレミアム」の3つのプランが用意されていますが、売上が1,000万円に満たないフリーランスは月額980円のスタータープランがおすすめです。
・簿記の知識がなくても帳簿できる
・領収書を画像で読み込んで帳簿できる
・入出金明細を読み込み自動仕分け
・経理作業を行えば記帳が自動化される
・POSや電子マネーと連携できる
freeeの口コミ・評判
freeeのポジティブな評判で多かったのは「クレカと銀行口座を登録すると自動で経理できるから便利」という口コミです。
見積書、納品書、請求書、入金確認が連動できるので便利です。クレジットカード、ICカード、銀行口座を登録すると自動で経理してくれたり、領収書もスマホアプリで写真とると読み取りしてくれます。
(引用元:ノマド家調査)
会計の知識ゼロでも使えます。freee独自の概念である、取引登録を使いこなせれば、90%ぐらいの試算表が完成します。
(引用元:ノマド家調査)
手入力していた部分もクレカを登録することにより、利用日や金額、内容についても自動で反映されるので簡単です。
(引用元:ノマド家調査)
確定申告、今回freee初めて使った。国税庁のサイトやMFクラウドも比較したけど、freeeがめちゃ簡単でびっくりした
(引用元:X)
悪評としては「freeeサポートデスクの対応が悪い」といったネガティブな口コミも見受けられました。
freeeにチャットで問い合わせたら
お問い合わせいただきありがとうございます。freeeサポートデスクです。お待たせしており申し訳ございません。1番目にお繋ぎいたします。ってでて1時間ぐらい待たされてる
(引用元:X)
マネーフォワードクラウド会計 | 機械学習によって仕訳入力を自動化できる
総合評価 | |
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運営会社 | 株式会社マネーフォワード |
料金プラン(個人) | パーソナルミニ:800円/月 パーソナル:980円/月 パーソナルプラス:2,980円/月 |
キャンペーン | 全プラン30日間の無料お試し |
サポート | メール / チャット / 電話 |
『マネーフォワードクラウド会計』は、銀行・クレジットカード・電子マネー・POSレジなどの外部サービスや、給与計算、請求書、経費精算などのクラウドサービスと連携することで、仕訳入力を自動化させることができます。
取得した明細は、機械学習によって適切な勘定科目が提案されます。勘定科目が間違っていても、訂正した勘定科目を人工知能が学習し、次回似た明細を取得した際は正しい勘定科目が提案されます。これらの機能で仕訳入力がどんどんラクになります。
メール・チャット・電話のほか、豊富なマニュアル・ヘルプ・チャットボットによる自動応答など、サポートが充実しているので、会計の知識がない方でも安心して利用できます。
マネーフォワードクラウド会計は、個人事業主用と法人用にプランが分かれています。すべてのプランに30日間の無料お試し期間があるので、実際に使ってみて検討できます。
・取引明細を自動取得
・帳簿/レポートの自動作成、決算書作成機能がある
・クラウドソーシング・決済・POS・ECサイトなどと連携できる
・安心のセキュリティ(プライバシーマーク/TRUSTe)
・会計ソフト3社の中で一番料金が高い
マネーフォワードクラウド会計の口コミ・評判
マネーフォワードクラウド会計会計のポジティブな評判で多かったのは「会計知識がある人はfreeeより使いやすい」という口コミです。
MFクラウド会計を使っています。税理士さん用のアカウントも作れます。
会計の知識がある人は直感的なfreeeより使いやすいと思います。金額浮かせたい場合は月額会員になって使う月以外は解約しておく技も多分使えるはず
(引用元:X)
クラウド会計ソフトを一通り試したが、MFクラウド会計がおすすめ。基本的な複式簿記のインターフェイスと補助勘定が使える。freeeだと違算や仕訳の間違いに気が付きにくい。移行に対応している他の会計ソフトの種類が多くて、移行時の設定が簡単。
(引用元:X)
一部「スマホで記帳しづらい」といったネガティブな口コミも見受けられました。
freeeは使いづらいんだけど、スマホ対応と分析が神。MFは使いやすいんだけど、所詮会計ソフトのクラウド版なんだよなぁ。スマホ対応もくそすぎるし。
(引用元:X)
フリーランスがクラウド会計ソフトで記帳するメリット
口座やクレジットカードと同期できる
クラウド会計ソフトは、普段使っているキャッシュカードやクレジットカード、銀行口座と同期できます。
そして、それらの取引記録を自動で会計ソフトが取得し、勘定項目も推測した上で半自動的に帳簿してくれます。
例えば、出張で新幹線を利用しクレジットカードで切符を購入した場合、会計ソフトを開くと勝手に「旅費交通費」の勘定科目に振り分けられます。
自動的に勘定科目を表示
前述の通り、同期しているクレジットカードや銀行口座から取り込んだ明細データに対して、会計ソフトが保有するビッグデータと機械学習によって勘定科目を自動的に表示してくれます。
また、一度勘定科目や補助科目などを手動で登録すれば、次回以降、同じ相手先の明細データを取得した際に、同じ勘定科目や補助科目が呼び出される機能もあります。これらをうまく活用すれば、ほぼ自動で経理処理ができます。
データをオンラインで管理できる
クラウド会計ソフトは、サービス提供者が管理するサーバー上で稼働しています。そのため、インターネットに繋がっていれば、MacやWindowsをはじめとしたPC、スマホからいつでも帳簿できます。
また、税理士に帳簿を確認してもらう際も、アカウントを共有すればすぐにフィードバックをもらえます。
フリーランスがクラウド会計ソフトで記帳するデメリット・注意点
フリーランス(個人事業主)と法人では必要な機能が異なる
クラウド会計ソフトは、法人向け・個人向けとで料金や機能が異なります。法人とフリーランス(個人事業主)とでは税申告の仕方に大きな違いがあり、会計ソフトを選ぶ際は必要な機能や申告書式が用意されているかをチェックしましょう。
フリーランス・個人事業主に必要な申告書類は以下の通りです。
・確定申告書B
・収支内訳書
・青色申告決算書(青色申告の場合)
法人に必要な申告書類は以下の通りです。
・総勘定元帳
・領収書綴り
・決算報告書
・勘定科目明細書
・法人税の申告書
・消費税の申告書
・地方法人税の申告書
無料の会計ソフトは機能制限が多い
フリーランス・個人事業主の帳簿業務は法人と比較すると単純であり、中には無料のクラウド会計ソフトで確定申告を済ませられる方もいるでしょう。
一方で、無料で利用できる会計ソフトは使える機能が制限されていたり、サポートが十分でなかったりすることもあり注意が必要です。
一般的に、無料の会計ソフトにない機能は以下のとおりです。
・自動仕訳
・電話・メールでのサポート
・Excelとのデータ連携
・エクスポート・インポート機能
また、以下の機能に関しては利用制限があるケースが多いです。
・仕訳件数
・利用端末数
・データの出力数
・データを閲覧できる期間
・利用ユーザー数
・作成できる書類の種類
・データを保存するストレージの容量
フリーランス向け会計ソフトを選ぶ際のポイント
経理業務を効率化できる機能が備わっているか
クラウド会計ソフトには帳簿作成機能以外にも、請求書の作成と帳簿が連動して売掛金の管理ができたり、帳簿の内容が確定申告書類にそのまま反映できるなど、経理業務を効率化できる機能が豊富にあります。
クラウド会計ソフトを選ぶ際は、最低限以下の機能が備わっていることを確認しましょう
・自動仕訳機能
・決算書の作成
・確定申告書類の作成
・請求書、見積書等経理関係書類の作成
・電子申告への対応
クラウド型もしくはインストール型
会計ソフトにはインストール型とクラウド型があります。インストール型は、会計ソフトをパソコンにインストールして使う買い切り型の会計ソフトです。通信環境がなくても利用可能です。
法改正や申告書の書式変更があれば、都度バージョンアップが必要であることと、対応OSが限られていることがデメリットです。
クラウド型は、通信環境があればどのデバイス・OSでもアクセスでき、シンプルな操作性で簿記の知識がない方でも利用しやすい点が特徴です。
一方で、月額・年額で利用料が発生し、通信環境がない場所では利用できない点がデメリットです。
利用している金融機関やサービスと連携しているか
クラウド会計ソフトには、銀行やクレジットカードなど金融サービスと連携しているものが多く、取引履歴を自動で取り込んで勘定科目を自動で表示したり、帳簿できます。
自分が利用している金融機関やサービスと連携しているかは必ず確認しておきましょう。
対応デバイス・OSの幅広さ
前述の通り、インストール型の会計ソフトの中は対応OSが限られていることが多く、Macに対応していないケースが多いです。また、スマホアプリなどで帳簿付けすることもできません。
こまめに入出金を記録したり、記帳忘れを防ぎたい方は様々なデバイス・OSに対応しており、スマホでも気軽に記帳できるクラウド型をおすすめします。